皆さんこんにちは。今年は桜の開花が2週間ほど遅れるそうですね〜。
それもそのはず、また雪が降りました。これでは、桜のつぼみも成長できません、残念!
相談室のベランダのチューリップは2週間程前に芽を出し、すくすくと成長しています。今から何色の花が咲くかとても楽しみです。チューリップは耐寒性に強い植物なんですよね。この寒空の下、毎日少しずつ成長している葉や茎を見ていると、なんだか頼もしいですよ。
木々の新芽が芽吹く季節「春」が待ち遠しいですね!!
「芽」と言えば、赤ちゃんの歯はいつ頃できるか知っていますか?
受胎してから、大体6週間、胎生6〜7週間から乳歯の「芽」が出来ると言われています。乳歯の形を作っていくのは胎生3ヶ月半くらいからです。乳歯は20本ありますが、だいたいお母さんのお腹の中で歯の形は出来上がっていくのです。もちろん歯が生えるのはずっと後ですよ。
さて、今回は前回に引き続き、歯の健康についてお話します。
「母乳を続けると虫歯になる」「母乳と虫歯は全く関係がない」等、母乳と虫歯の関係については、専門家は必ずしも一致した見解ではないのが現状です。残念ながら根拠のはっきりとした科学的研究はほとんどないようです。
まず、う蝕とは、歯を形成する歯牙硬組織(エナメル質・象牙質・セメント質)が乳酸産生菌により産出される乳酸で脱灰される病気です。
う蝕は、
(1)歯 (2)乳酸を産生する細菌 (3)糖質 (4)宿主の抵抗性
に関連していて、すべてが一定の条件を満たすことにより発生すると言われています。
なんだか、難しいですね。つまり、赤ちゃんに歯が生え、ミュータンス連鎖球菌群が口の中に定着し常在菌となります。そこへショ糖を摂取すると、乳酸と粘着性の強い物質を作り出し歯垢の形成を促進します。更にショ糖を摂取すると虫歯が進行していきます。(虫歯やエナメル形成不全の家族歴、遺伝的素因なども関係します。)
よく、長期に渡り母乳を飲んでいると多発性のう蝕が発生すると言われますね。健診の時や託児所の先生にそう言われて断乳を勧められたことはありませんか?
本当に母乳を長く飲むとう蝕が発生するのでしょうか・・・。
唾液の分泌の減少する夜間滞に頻回に授乳し口腔内に乳汁が溜まったままだと確かにう蝕発生の条件が一部揃いますね。ですが、これだけではう蝕が発生することはないのです。ここに、ショ糖の摂取により形成された歯垢が存在してう蝕につながるのです!!
特に母乳に含まれる乳糖は糖質の中でも代謝されにくい種類なので、菌の存在や歯垢、ショ糖の摂取等の全ての条件が整わなければ、う蝕の多発を引き起こすことはないといわれています。ですから、母乳を辞めてもう蝕が発生しないという根拠はないので、断乳する必要はないということになります。
「母乳イコールう蝕」という短絡的な情報提供を医療者や保健指導者がするべきではないと思っています。母乳育児が人工乳育児に比べ、赤ちゃんの体を守り、精神面においても利点が多いという事実を重要視するべきですね。う蝕発生のメカニズムを十分に理解した上で、赤ちゃんの歯、口腔の健康を獲得する為に母乳を飲むという動作が必要であることを考慮すると、「母乳をやめた方がいい」なんて簡単に言えないですよね〜。
歯が生え、離乳食が始まったら、歯のお手入れは必要不可欠です。果汁やイオン飲料の糖分も虫歯につながりますから、注意してくださいね。
虫歯予防はとても大切なことですが、それ以上に赤ちゃんと向き合える「母乳を与えるという貴重なひと時」を楽しんでください。
それでは、またお会いしましょう!
2005年3月7日掲載
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