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病院便り

 

 
子育てを頑張るママとパパのために、こどもの病気や身体のことなどの情報を分かりやすく皆様にお届けします。担当は、つくば市・さとうクリニックの佐藤先生と、阿見町・秋吉歯科医院の秋吉先生です。
Vol.7 秋の花粉症や咳、子どもに与える漢方薬について
こんにちは。秋も深まり、朝夕は肌寒さすら感じる頃になりました。
この時期は、秋の花粉症や喘息などが出やすい季節で、鼻水、鼻づまり、咳が止まらなかったり、喘息発作を起こす子供さんがよく来院する時期でもあります。まず、この季節の花粉症と咳についてお話いたしましょう。

日本では花粉症といえば「スギ花粉」が有名ですが、世界的に見ると「ブタクサ花粉症」が最も多いのです。これは空き地に多く繁殖しており、花粉一個あたりのアレルギー反応はスギ花粉と変わらないほどです。八月のお盆過ぎから十月くらいまで続きます。
また、同じ時期には「ヨモギ花粉症」もあります。もう少しすればセイタカアワダチソウの花が咲き、以前は花粉症の原因とも言われておりました。しかし実際は余り花粉が飛ばないということで、むしろ「ススキの花粉」のほうが問題かもしれません。
治療としては、抗アレルギー薬の内服、あるいは点鼻薬、目薬などを使うことです。マスクを子供さんに使わせることは現実的ではありません。外遊びやスポーツの際に目が痒くなったり、鼻が止まらなくなってしまいますので、放って置くと子供さんがかわいそうです。きちんと治療を受けましょう。

また、特に朝晩に悪くなる咳、喘鳴などは、大部分がハウスダスト、ダニアレルギーによるものです。また、温度、湿度、気圧変化などをきっかけとして起こることも多いものです。熱はない、昼間は少し楽になる、などといった理由で様子を見るのは危険ですから、きちんと説明してくれる病院にかかることをお勧めします。
治療は吸入ステロイド薬や喘息用の抗アレルギー薬が中心で、それに必要であれば気管支拡張薬(ホクナリンテープ、テオドールなど)を追加します。抗生剤などは一般に不要です。また、鼻が悪ければ一緒に治療します。

ところで、子供さんが飲める漢方薬につきましてご質問を受けました。結論から言えば、お勧めしません。その理由はいくつかあります。
[1] 薬が非常にまずいこと。また、粉薬が大部分で飲みにくいこと。
[2] 効き目の個人差が非常に大きいこと。効かないほうが多いこと。
[3] なぜ効くか判らないものが多いこと。
[4] 過大な期待をかけすぎる人が多すぎること。仮に効き目が有った人でも体質は変わりません。

[1]については、大人でも苦手な人が半分はいます。ためしに何か漢方薬を飲んでみてください。一日二、三回を数ヶ月、長ければ年単位で飲むことを考えると、子供には薦められません。
[2]については、私も漢方薬を比較的処方するほうだと思います。例えば、花粉症や喘息に対する漢方薬はいろいろ試してみます。一シーズンに数百人処方することがあります。大部分は患者さんの希望で、後は妊婦さんや他の抗アレルギー薬の補助としてです。このうち、この薬だけで症状がよくなるのは一割以下です。劇的に良くなった人がいるのも事実ですが、大部分の方は、次の診察時には他の薬を希望されることがほとんどです。
また[4]と関係が有りますが、「体質改善」というあいまいな言葉に惑わされ、また期待している人がたくさんいらっしゃいますが、一年飲み続けても、やめれば効き目は切れるのが普通です。これでよくなったという方の大部分は、特にアレルギー疾患の場合は自然治癒がほとんどでしょう。
[3]については、科学がもっと進めば明らかになってくるかもしれませんので、今判らないからといってだめであるとか、意味がないとかは言いません。ただ、今の時点では判らないことが多いのです。
また、副作用がないというのも嘘です。まだ病院に勤務していた頃ですが、私は肥満に良いとされる、とある漢方薬で、薬剤性肺炎になって呼吸困難を起こし、ステロイドを大量投与して何とか助かった患者さんを経験しています。薬であることには変わりないのです。

以上、今回は、ご質問いただいたうちの一部につきましてお答えいたしました。

2006年10月5日掲載

 

 

   

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佐藤 宏一先生
佐藤 宏一

はじめまして。このコラムを担当いたします佐藤です。アクセスされる方が子育て中の女性が中心とのことですので、主に子供の病気やそれに関係することをお話したいと考えています。

また、私自身4児の父親で、夫婦二人でばたばたと子育てをしております。その経験で少しでも参考になることがありましたら、おいおいご紹介したいと思います。
略歴: 北海道出身 筑波大学卒 
筑波大学および関連病院勤務の後、北海道の僻地診療に携わる。

その後つくば市にてさとうクリニックを開設、現在に至る

所属学会: アレルギー学会、循環器学会、内科学会、プライマリケア学会

 

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